さくらちゃんは、すでに想いを伝えている状態だ。
 あとは花田くんのちゃんとした返事を待つだけ。

 あたしと陸斗のときとは逆の状態。

 同じ状態だったなら、早く答えてあげてと言えるんだけど……。


 あたしも陸斗に寂しそうな顔させてしまってたのかな?

 そんな風に思えてしまった。


 何だかしんみりした気分で待ち合わせ場所である商店街の入り口に着くと、陸斗と花田くんが先に待っていた。

 花田くんが一緒だと陸斗も遅刻しないみたいだ。


 少し離れた位置から浴衣姿の二人を見る。

 花田くんは白ベージュのしじら織とシンプルだけれど、背が高く柔らかな雰囲気の彼にはとても似合っていた。


 陸斗は黒白(しま)模様で銀にも見える光沢のある白い帯姿。
 男らしい彼には本当にピッタリで……。


『カッコイイ……』

 思わず漏れた声が、さくらちゃんと重なった。

 驚いて顔を見合わせると、どちらともなく苦笑する。