でもこの様子だとデートって自覚はなかったみたいだ。

 ってことはやっぱりまだ付き合ってはいないのかな?


「さくらちゃん!」

 ちょっと混乱している彼女を少し強く呼ぶ。

「は、はい!?」

 大袈裟なくらいビクリとしたさくらちゃん。

 そんな彼女にあたしは真剣な顔と声で聞いた。


「この際ハッキリ聞くね? さくらちゃん、花田くんとどうなっているの?」

「ど、どうって……?」

「付き合ってるのかって事」

「つっ!!?」


 デートの自覚すらなかったんだから、付き合ってはいないんだろうなとは予測出来た。

 でも、お互いに恋愛的な意味で好意を抱いているのは確実。

 今がどういう状態なのか聞いておきたかった。


「付き合っては、いないよ?」

 少し寂しそうに言うと、彼女は次いではにかんだ。

「でも、前よりも近いところにはいると思う」

「……そっか」

 それ以上は聞けなかった。