「良いよ。それも楽しそうだね」

 最初に同意してくれたのはさくらちゃんだ。

「俺も良いよ」

 花田くんもOKしてくれる。


 最後の陸斗はため息をついてはいたけれど、結局は「それで良いぜ」と言ってくれた。


 そうして陸斗達と別れあたしはさくらちゃんと浴衣を選び始める。

 大人っぽくと言うなら黒地も良いけれど、着るのは夜だから少し暗さに紛れてしまうだろうか。


「さくらちゃんはどんなのにするの?」

 自分のを悩みながら、参考までにさくらちゃんの選びたいものを聞いてみる。


「うん、いつもなら白地にさくらとか花柄で選ぶんだけれど……」

 名前が名前だけに、やっぱりさくらをつい選んでしまいがちだとさくらちゃんは言う。

「今回はちょっと大人っぽいものを……。子供っぽく見えないものが欲しいなと思って。家にあるのはお母さんが選んだふわふわな可愛い感じのものだから……」

 流石さくらちゃんを可愛く着飾らせたいという母親らしい。
 浴衣まで可愛い感じのフルセットだとか。