「あたし達もだよ。偶然だね」

 と言いながら、あたしは良い事を思いついた。

「あ、じゃあさ。男女分かれて浴衣買わない? どんなのを選んだかは当日のお楽しみってことで!」


 さくらちゃん達も一緒に浴衣を買いに来ているってことは当日も一緒に行くつもりなんだろう。

 もし違っていたとしても、当日のお楽しみって言っておけばきっと会う約束はするだろうし。


 それにあたしもちょっとサプライズにしてみたかった。

 浴衣を着て、髪を上げてうなじを出して。
 和風美人な感じのメイクして。

 いつもと違ったあたしを陸斗に見てみて欲しいと思ったから。

 それなら浴衣も当日のお楽しみにしても良いんじゃないかと思う。


 陸斗の浴衣を選べないのはちょっと残念だけれど、花田くんが見てくれるなら少なくとも似合わないものは選ばないだろう。


「どうかな?」

 そう言って三人を見回す。