「仕事サボっておいてクビにならなかったんですか！？」

「遊園地でもバカやってクビになってたのに！？」

　あたしに続き陸斗も思わずと言った様子で叫んだ。


「仕事サボって？　遊園地？」

　頭に疑問符をいくつも作っている美智留ちゃんに遊園地のお化け屋敷の事、校外学習の動物園での事を陸斗と一緒に説明する。

　すると美智留ちゃんもあのお兄さんのバカさ加減が分かったのか、呆れた……というか、最早死んだ目になっていた。

「それ、本当に何でクビにならないのかしら？」

　美智留ちゃんもそう口にすると、杉沢さんを見る。

　三人で視線で答えを求めた。


「いや、何かね。バツイチ子持ちの先輩バイトが庇(かば)ってくれたんだってさ。その後も何かと世話してくれてるみたいで……。いやぁ、俺も肩の荷が下りたよ」

　最後の言葉は凄く気持ちがこもっているように感じる。

　あのお兄さんに関しては、杉沢さんも頭抱えてたもんね……。

　校外学習の時に見た彼らを思い出しながらそう思った。