三人にジトーっとした目で見られた杉沢さんは、それを気にするでもなく「そういえば」と話し出した。


「灯里ちゃんと君とで文化祭にメイクアップの実演するんだって?」

「……どうしてそれを知ってるんですか?」

 美智留ちゃんが探るように聞くと、杉沢さんは普通に答える。

「え? 工藤くんに聞いたからだよ?」

 たまに連絡し合ってるよ。なんて笑顔で言う。


 ……工藤くん!!?


 なんて余計なことを。

 そう思ったのはあたしだけじゃないはずだ。

 陸斗も美智留ちゃんもあたしと同じ様な表情をしてるから。


「でも文化祭の招待チケットはくれないて言うんだ。枚数制限ある訳じゃないみたいなのにケチだよねぇ」

 杉沢さんの言葉に少し安堵する。

 工藤くんは、少なくともあたし達が嫌がることはしていない様だ。