「じゃ、行こっか」

 そう言って歩き出した美智留ちゃんに、あたし達も一緒に歩き出した。


「それで? どうして杉沢さんがいるの?」

 やっぱりまずはそこからだよね。

 美智留ちゃんの疑問にまずは答えつつ、さっきのことを軽く話した。


 一通り話し終えると彼女は引いているのか呆れているのか……何とも微妙な表情をする。

「引っ越してきたの? それに灯里を諦める様子無いとか……」

 そう呟いた美智留ちゃんは胡乱(うろん)な目で杉沢さんを見て言った。

「……面倒臭い人ですね?」


 ハッキリ言ったね!

 あたしもそう思ったけど。


「ははは、手厳しいなぁ。でも簡単に諦められないのが本気の恋ってやつじゃないかな?」

 杉沢さんはそう言うけれど、ヘラヘラしている様子を見るとどこまで本気なのか測れない。

 うん、やっぱり面倒臭い。