引っ越した?
 どこに?

 あたしに会いやすくなったって事は、この近くにってこと?


「初めて会った駅あるだろ? あの近くのアパートに引っ越しだんだ。灯里ちゃん、家あの近くなんだろう?」

「何で知って!?」

 ストーカーという言葉が頭の中を過ぎる。
 もしくは、連絡先を交換していた誰かが話してしまったのか。

 そんな嫌な予測を立てたけれど、答えはまともなものだった。


「この間会った時もあの駅だったし、あの日は灯里ちゃんの家で女の子達メイクしてもらったって言ってたからね。流石に正確な位置は知らないよ?」

 普通に推測だったらしい。


 家の正確な場所までは知られていない事にホッと息をつく。

 すると陸斗が唸る様に言った。