あたしの様子を見て二人もそう思ったのか、それともただあたしの言う通りにしようとしてくれただけなのか。

 どっちなのかは分からないけれど、二人とも「分かった」と言って歩き出してくれた。


 陸斗と手をつないで歩くあたしの横で杉沢さんが歩いている。

 今のところ、隣を歩くだけで手を出してくることはなさそうだ。


 そうして警戒しながら歩き、周囲に人が少なくなった頃あたしは口を開いた。

「それで、どうしてあたし達の学校の前にいたんですか?」

 警戒し、少し睨むように見上げて聞く。

 でも杉沢さんは何を当たり前のことをとでも言うかのようにサラリと答えた。


「そりゃあ、君に会いたかったからに決まってるだろ?」

 そして、そのまま衝撃的なことを口にする。

「それと、引っ越しが終わったから挨拶に、かな? これでもっと君に会いやすくなった」

 予想もしていない言葉にあたしと陸斗は足を止め、同時に声を上げる。

「は?」
「はぁ!?」

 あたしはすぐには理解出来なくて。
 陸斗はすぐに理解したのかふざけるなとでも言いそうな感じで。