そんな感じで決めれるところを決めたらその日は帰ることにした。

 いつ誰をメイクするのかは美智留ちゃんとさくらちゃんが皆の意見や予定を聞きつつ決めてくれるらしい。

 だからあたしは誰にどんなメイクを施すのかだけ考えれば良かった。


 と言ってもそれはいつもやっていることだし、苦になるどころかあたしにとっては楽しいだけだった。


「あたしだけ楽しくていいのかなぁ?」

 生徒玄関で靴を履き替えながら、一緒にいた陸斗に聞いてみる。

「それを楽しいと思えるのは多分お前だけだから、良いんじゃねぇの?」

 と、褒めているのか(けな)しているのか分からない言葉が返ってきた。


 まあ、何にせよそれで良いと言われたんだから良いってことにしよう。


 そう自分を納得させて外に出ると、校門の辺りに少し人だかりが出来ていたのが見えた。
 主に女子が多い。というか、女子ばかりだ。