……あれ? 無いはずだよね?


 でも何か引っかかってる。

 それが何なのかを思い出そうと頭を悩ませていると、美智留ちゃんに話しかけられた。


「テストも終わった事だし、夏休みの予定組もうか? メイクは午前中だけの方が良い? それとも丸一日頑張る?」

 そうだ、夏休み中のメイクも何人にも施さなきゃ無いから結構大変なんだ。


 引っかかってるのってこれだったかな?

 何か違う気もするけど、今考え込む訳にもいかないか。


「うーん、午前中だけにしておこうかな? あたしの集中力の問題もあるけれど、午後だと汗かいてメイクノリ悪くなりそうだし」

 そうやって美智留ちゃんと、途中からさくらちゃんも加わってスケジュールを組んでいった。


「じゃあ一日三、四人で、土日は避けるって感じで良い?」

「買い出しとか、必要な事あったらあたしに言ってね? 言い出したのはあたしなんだし」

 両手で拳を握って頑張る、というポーズをするさくらちゃんが可愛い。