「ほらほら、しんみりしない! 無事で良かったんだから、もう良いでしょ?」
沙良ちゃんがそう言って場を明るくした。
「そうだよ。少なくとも不良関係で怖い事にはもうならないって分かってるんだし」
とさくらちゃんも明るく言う。
でも美智留ちゃんは少し黙ってから、他の懸念事項を口にした。
「……でも杉沢、だっけ? 灯里が気に入られてるから何かされるかもって不安はあるんでしょ?」
うっ……。
その言葉に、皆黙ってしまう。
確かにその懸念事項は残っている。
「……でも何で気に入られちゃったのか分からないんだよね。メイクしただけなのに……」
ため息と共にそう呟くと、バッと三人があたしを見た。
その表情は揃って驚きーーいや、驚愕に近いかも知れない。