美智留ちゃんが正統派美少女だとしたらあたしは“美”が抜けた正統派少女って感じの顔立ちだろう。

 メイクをしたことで、正統派美少女に少しは近付けたとは思うけれど。


 そんなあたしの髪型……。

 どんなふうにして貰えるのかワクワクしながら任せる。


 手際の良い美智留ちゃんは迷いなく指を動かしていき、あっという間に完成させた。

 簡単に言えばハーフアップなんだけれど、編み込みとか入ってる上にまとめて結んだ部分が理解出来ないほど複雑に結われていた。


「見た目ほど難しくはないんだよ?」

 何て言う美智留ちゃんだけれど、理解出来ない時点でやっぱり難しいから!


 取りあえず一度どうやったのか聞いてみようと思って話しかけようとすると、部屋のドアがノックされてお母さんが昼食を持って入って来た。

「ミートボールスパゲッティよ。お口に合えば嬉しいわ」

 お得意のミートボールスパゲッティとスープが人数分運ばれ、お母さんは部屋を出て行く。


 丁度お昼の時間で切りのいいところだったので、そのままランチタイムとなった。