蛇を連想させるようなその笑みにゾクリとする。

「この子、前にお前がナンパ失敗したときの子だ」

「え? マジっすか? あの美人さん? 嘘でしょ?」

 言い当てた杉沢さんと、言われても信じられないお兄さん。


 普通はお兄さんみたいに分からないと思う。

 あんな少し顔を合わせただけの人なんて、記憶に残ることはほぼない。

 あたしが杉沢さんを覚えていたみたいに、何か少しでも気になる部分があるなら有り得そうだけど……。


「間違いねぇよ。まあ、俺もこのアイメイクがなきゃ気付かなかったかもしれねぇけど」

 そう言った杉沢さんはニヤニヤした顔をあたしに近付けてきた。


「あの時の君めっちゃ好みだったからさー。あいつに連れてこいってナンパさせたんだけど……日高の彼女だったとはねー」

 そういえばあの時も日高が現れたんだっけ、と思い返している杉沢さん。