《大丈夫、今のところ変なことはされてないよ。今は車に乗せられて移動してる。商店街裏にある川原近くの空き家に連れて行かれるみたい》

 そう送ると、すぐに返事が来た。

《待ってろ、すぐ行く》


 すぐ行く……来てくれる。

 それが何だか嬉しくて、緊張の糸がほぐれるように安心する。


「送ったか? じゃあスマホはしまえ。もう連絡取るんじゃねぇぞ」

 陸斗くんのメッセージを見ながら余韻に浸っていると、お兄さんの声が邪魔をした。


 でも言うだけ言って運転に集中し始めたので、これ、もしかしてスマホいじってても気付かないんじゃないのかな? と思ってしまう。

 とはいえ危険な橋は渡らない方が良いので、素直にしまっておいた。

 陸斗くんとは連絡が取れたのだし、他の皆にも伝えてくれるだろう。


 そう思って、後は目的の場所に着くまで今度こそ黙って座っていた。