陸斗くんが来てくれれば何とかなりそうな気はするけれど、よっぽど遅いとかでなければこっちまで探しに来てはくれないだろう。

 陸斗くんが来るよりお兄さんがキレる方が早い気がした。


「あたしっ、付いて行きますから! だから乱暴なことはしないでください」

 付いて行かない方が良いのは分かっていたけれど、美智留ちゃん達が殴られるかも知れないと思うとそう言うことしか出来なかった。


「灯里!?」

 驚く美智留ちゃんに、「大丈夫だから」とぎこちない笑顔で返す。


 実際、あたしはお兄さんのちょっと……いや、かなり残念なところも知っているから、少なくともさくらちゃんほど怖がってはいない。

 まあ、何するか分からないと言う意味ではやっぱり怖いけれど。


「本人も行くっつってるから連れてくぜ? いいか? 迎えには日高をよこせよ?」

 そう念を押して、お兄さんはあたしの腕を引っ張っていく。