そのまま歩き出す陸斗くん。
あたしは恥ずかしくて彼を見ることも出来ず、男らしい硬い手を感じながらただ付いて行く。
そうして視線を他に向けていたから気付いた。
一人の飼育員と思われる男の人が、こっちをずっと見ていることに。
知ってる人だったかな? と思ってジッと見つめていると、あたしが見ていることに気付いたらしいその人はサッと目を逸らしてどこかへ行ってしまった。
「……」
何だろう。
嫌な予感が……。
あの人は誰だったろう? と記憶を探ろうとすると、突然陸斗くんが立ち止まった。
見ると、一点を見つめて微動だにしない。
「どうしたの?」
聞いても、聞こえていないのかやはり動かない。
仕方ないので視線の先を追ってみる。
平日なのでそれほど人は多くはないけれど、他にもお客さんはいる。
その中の一人。いや、一組の夫婦らしき人達を彼はじっと見ていた。
あたしは恥ずかしくて彼を見ることも出来ず、男らしい硬い手を感じながらただ付いて行く。
そうして視線を他に向けていたから気付いた。
一人の飼育員と思われる男の人が、こっちをずっと見ていることに。
知ってる人だったかな? と思ってジッと見つめていると、あたしが見ていることに気付いたらしいその人はサッと目を逸らしてどこかへ行ってしまった。
「……」
何だろう。
嫌な予感が……。
あの人は誰だったろう? と記憶を探ろうとすると、突然陸斗くんが立ち止まった。
見ると、一点を見つめて微動だにしない。
「どうしたの?」
聞いても、聞こえていないのかやはり動かない。
仕方ないので視線の先を追ってみる。
平日なのでそれほど人は多くはないけれど、他にもお客さんはいる。
その中の一人。いや、一組の夫婦らしき人達を彼はじっと見ていた。