だって、花田くんからは必死さが伝わってこないから。


 泣いて怒って、感情をぶつけたさくらちゃん。

 今も怒りが伝わるようにと花田くんをあからさまに避けている。


 無視したり避けたりって、さくらちゃん苦手そうなのに無理してまでそんな事している。

 多分それは怒ってるってことを伝えるためでもあるんだろうけれど、自分はその子とは違うんだ、だから怒ってるんだ、と言いたいのかもしれない。


 さくらちゃんはそれだけ本気でぶつかってるのに……。


 腹が立ったけれど、グッと我慢する。

「分かった。話してくれてありがとう」

 そうお礼を言ったあたしは、早くさくらちゃん達を見つけようと歩き出した。


 こんな花田くんに文句を言うのは、さくらちゃんであるべきだと思ったから。