「えっと……」

 どうしようか、と顔に書いてある工藤くんが皆を見回す。

 でもそれに応えられる人はいない。


 「あー」と声を出しながら頭を掻いた工藤くんは、花田くんに視線を止める。

「うん、やっぱ元凶に頑張ってもらうしかねぇよな。司、お前宮野追いかけろよ? 倉木、悪いけど一緒に行って日高頼むな」

「はい?」

 聞き返したけれど、それには応えが無かった。


「そうだな、じゃあ俺達はあっち行くか」

「え? 良いけど、良いの?」

 沙良ちゃんの腕を引き連れて行ってしまう小林くん。

 沙良ちゃんは良いのかな? と思いつつそのまま付いて行ってしまった。


「ほら、田中も行こうぜ」

「は? ちょっと、放っておくの? 待って、自分で歩くから引っ張らないで!」

 美智留ちゃんは工藤くんに強く引っ張られたのか、振りほどけずに付いて行くしか出来ないみたい。