半分は強制。

 でも、もう半分はは我慢出来なかったからだ。


 学校行事とは言え、みんなで楽しくお出かけの予定。

 そしてそこに化粧品がある。


 そんな状態で我慢なんて出来なかった。

 それでも自分のだけにして、三人のメイクには手を出さないようにした。


 滅茶苦茶手を出したかったけど!

 すっっっごくやりたかったけれど!!


 今なら血の涙を出せるんじゃないかと思うくらい我慢した。


「ガッツリメイクって感じじゃねぇけど、それだけでも雰囲気変わるんだな」

 日高くんの感想に、意識を今に戻す。

「うん。アイブロウとアイライン、あとリップ軽く付けただけだけどね」

 目元はマスカラを付けると更に印象が変わるけれど、流石にそこまですると叱られそうとでも思ったんだろう。
 美智留ちゃんが持って来ていた化粧品の中には入っていなかったし。