それもそうだ。

 さくらちゃんがあの状態だと、謝ることすら出来ないだろう。


 まあ、それくらい怒ってるんだってのは伝わったと思うけれど……。


 でも謝ってもらえないと許すことも出来ないんじゃんないかな?

 あのまま謝らせない状態を続けてて本当に大丈夫なんだろうか?


 心配は尽きない。



「……ん? 灯里、お前もしかしてメイクしてるのか?」

 近くに来て気付いたらしい日高くんが顔を近付けて来る。

 不意打ちの様な接近に、一瞬言葉が詰まった。


「っ! あ、うん。美智留ちゃんが少し持って来ててね、今日の自由行動では皆羽目を外してるから、ちょっとくらいのメイクなら先生も見逃してくれるとか言って……」

 そうして、半強制的にメイクさせられた。