「万が一、お前にまで危害が及ばねぇかと気が気じゃねぇんだよ」
少し照れた様に、それを誤魔化すためになのかぶっきらぼうに言う日高くん。
あたしは何度か瞬きをして、どんな顔をすれば良いのか分からなくなる。
そんな事あり得ないと笑い飛ばせば良いのか。
心配してくれてありがとうと言うべきなのか。
迷って、結局は無難に「大丈夫だよ」と二ヘラっと笑った。
「気にし過ぎだって、不良の溜まり場に突っ込むわけじゃないんだし。それに何より楽しみにして行った方がいいでしょう?」
座っていたベンチから立ち上がり、あたしは日高くんの前に来る。
「あたしは楽しみだよ? みんなと行ける校外学習」
少し屈みつつ、見下ろす。
そんなあたしを見た日高くんは少し不満顔。