沈黙を最初に破ったのは沙良ちゃんだった。

「え……えええぇぇぇ!!」

「っちょ! 声大きい!」

 これでもかというほどの声量で驚きを(あらわ)した沙良ちゃん。

 あまりにも大きい声なので、その口を押さえる美智留ちゃん。


 さくらちゃんはそんな中でもまだ固まったままだ。


「えっと、それってほっぺとか?」

「ううん、口」

 美智留ちゃんの質問に、あたしは一番言いにくいことを言えたからか、今度はあっさり答えた。

 でも三人は滅茶苦茶動揺している。


「く、くちぃ!? もごっ」

 沙良ちゃんはまた大きな声を出し、美智留ちゃんはそれを塞ぎつつ自分の口をあんぐりと開ける。

 さくらちゃんは……あれ? 何だか目がキラキラしてるんだけど。


 少しして、沙良ちゃんが落ち着くまでそんな状態が続いた。