「まなー!響希くん来てるわよー」
そう叫んだ声の主は私のお母さんだ。
時計を見ると、学校が始まるまでまだ1時間以上もあった。なんで今日は早いんだろうと思いながらも
「いってきまーす!」
と元気な声で家を後にする。
「まな遅い」
不機嫌そうな顔をした響希はずっと私を見つめている。
「私に何か付いてる?」
そう聞くと慌てた様子で
「あ?あぁなんでもない」
と何かを誤魔化すように言った。
「今日ってなんでこんなに早く家に来たの?まだ1時間以上あるんだけど」
「ちょっと話したいことあってさ、2人で」
なんだろう話したいことって...。