堺さんが気持ちを伝えたいのは…


「大和先輩…ううん…昂くんだよ…!」


俺だったんだ…。


「昂くんに会って性格が変わっててびっくりした…

にぃだってわかってもらえなかったのも悲しかった…

ずっと隣に昂くんがいなくて寂しかったよ…」


堺さん…いや、にぃの目からは涙が流れていた。


俺は指でそっと拭う。


「ごめん…ごめんな…!」


必死に首を横に振るにぃ。


無理しなくていいよ…


「俺はあの頃にぃが好きだったよ…。」


「もう…過去なの…?」


泣いているせいか言葉が途切れ途切れになっている。


「過去だよ。」


にぃのこと…ちゃんと覚えてなかったんだ。


あの気持ちは父さんの死で一瞬にして消えてしまった。


俺の心から…。