スマホのマップで調べてみると
私とコウくん達の家は
歩いて20分くらいの距離だった。

「コウくん、ごめんね。
 疲れてるのに。」

コウくんにそう言うと、
チラッと私の方を向いた。

「いーんだよ。歩くのは嫌いじゃねぇ。」

「ありがとう。
 コウくんってさ、本当に甘いの得意じゃないんだね。
 ココア、いっぱい残してた。」

「フッ あぁ。
 しかも、レンはいつもお湯でココア作んだよ。
 せめて牛乳で作れっての。」

「ふふっ そっか。
 私も久しぶりに飲んだなぁ、お湯のココア。
 でも、美味しかったよ。」

コウくんは、
見た目は怖いけれど
ふつうに話すし、優しい。

‥‥タバコ吸ってたけど。

「ねぇ、コウくん。」

「あぁ?」

「…タっタバコ辞めなよ…。」

ぎょっとした顔で私の顔を見る。

なっなに・・・。

うるせーなって怒鳴られて怒られるんだろうか…。

萎縮してしまい、ぎゅっと目をつむる。