「あ!もう外、真っ暗じゃん!
 そろそろ帰らなきゃ。実桜帰ろう!」

窓から ふと外を見るとすでに真っ暗で 
向かい合って座る私たちの姿がガラスに反射して映っている。

「ほんとだね!帰らなきゃ。
 カップだけ洗わせて。
 レンくん、ココアごちそう様。」

「いーよいーよ、実桜ちゃん。
 俺、洗っとくから。
 早く帰りな。
 …あっちょっと待った。
 やっぱり洗ってもらおうかな?
 終わったら送ってってやるから。」

レンくんが優しく笑いかけてくれた。

「…うんっ。
 急いで洗っちゃうね。」

キッチンを借りて、4人分のカップを洗う。

あっ…コウくん
ココア半分も飲んでない。

本当に苦手なんだ。

「実桜~なんかニヤついてない?」

シズナはそういう事にすぐ気が付く。

「そんな事ない!はい、終わりっ!
 お待たせしました、帰ろう。」

シズナはレンくんと。

私はコウくんと。

それぞれの帰路についた。