「え~でもさ~、ここお風呂あんの?」

「シズナちゃん良い質問~!  
 湯舟はないけど、シャワーはあるよ~
 でも、洗濯機はないからコインランドリー使ってる。
 中古でいいから、買わなきゃ。なぁ、コウ。」

「あぁ、そうだな。」

なんで、2人は親元を離れて暮らしているんだろう。
しかも、2人で生計を立ててる?
学校が終わって2人それぞれバイトしてるもんね。


詳しく聞きたかったけれど、
触れてはいけない気がして話し出せなかった。


「ふっ2人はさ、何のバイトしてるの?」

「俺は学校出てすぐのファミレスのホール!」

「俺は長期休みは工事現場とか。
 普段はピザ屋の配達。」

「えっじゃあ、コウくんは
 休みの時は日中は工事現場行って
 夜から配達してるって事?」

いくらなんでも働きすぎじゃない?
身体が心配になる。

「あぁ、そうだな。
 毎日っつう訳じゃねぇけど、そんな日もある。」

「コウが ありがとうございま~すって
 笑顔でピザ配達してるの考えたら笑えるだろ」

レンくんがニヤニヤ笑って
コウくんをちゃかす。

「るせーなあ! したくてしてる訳じゃねぇ。」

コウくんは少し顔を赤くして答えた。