カフェスペースの4人掛け席に座り、
教科書を広げる。

シズナがレンくんの隣の席を
すばやく確保したので
必然的に私はコウくんの横に座る。

「今日のホームルームで先生がぽろっと言ってたんだけど、
今回のテストは問題集から出す事が多いかもなんだって。」

「じゃぁ、まず各教科の問題集からするか。」

コウくんがパラパラと問題集をめくり、
シャーペンに手を伸ばす。

「実桜ちゃん、国語の問題集って
 何ページから何ページまでなの?」

「あっじゃぁ 
 私 付箋持ってるからみんなで貼っていこうよ!」

レンくんもコウくんも
勉強する気になってよかった。

私はみんなに付箋を渡し、
テスト範囲の確認をした。

「はい、コウくん。」

「おぉ、わりぃな。」

付箋を貼り終えると
それぞれ得意な教科から問題集に取り掛かった。

「実桜ちゃんここ・・・」

「んねぇ、実桜。電子辞書貸してくれる?」

「杉元、これ分かんねぇ。」

あ、コウくん
名前覚えてくれたんだ…

”覚えてくれなくていい”

そう思っていたけれど
いざ、名前を呼んでもらえると
口元が緩むのがわかる。