彼女は紅茶を一口飲んで答えた。

「私は、加藤夏紀。私もあんたと同い年だよ」


偉そうにドカッと腰をかけている彼女。

何度見ても僕と同い年には見えなかった。

膝に手をあて、俯いている僕に彼女は声をかけた。


「で?私を誘ったのは何で?ナンパでも何でもないんでしょ?」


「あぁ…」

言葉が詰まる僕。

「君は…」

こんなこと言ったらまた変人扱いされるだろうか?

でも…伝えたいんだ。




「君は…僕と一緒な気がするんだ…」


僕の予想通り、彼女の頭の中にはハテナが浮かんでいるようだ。


「一緒???」

眉間に皺を寄せ、首を傾けて彼女は言った。



「そう!」



「わかんねぇ…」

そう言って彼女は湯気がたっている紅茶をまた一口飲んだ。

それと同時に僕はガックリと肩を落とした。


「君…なんでこの前、教科書なんか捨ててたの?」

「あぁ、あれ?いらないから」


「何で?君、現役高校生だろ?それに英語の教科書…結構使った痕あったけど…」


「いらねぇもんはいらねんだよ。もうじき学校も辞めようと思ってるし…」


「何で?」


「何で?って…世間はどんなに頑張っても最終的には外見で評価されるんだ…」