「莉奈ちゃん、今日も自転車乗ってく?」



「そうだね。あ、でも私自転車壊れてるんだった」




忘れかけていたが、冒頭でも話した通りペダルの部分が完全にイカれてるため、いくら漕いでも一切進まない。





やっぱり、この地獄のような暑さの中歩いていくしかないのか…。




考えただけで汗が出る。





「ごめん日向、今日は歩いていくね」



「そっか〜。それなら、僕の後ろに乗ってく?」





それはつまり…2人乗りってこと?




いやいやいや、もし2人乗りだとしてもこのデブを乗せて日向に自転車を漕がせるなんて事できない。




そんなことしたら、いくら運動神経が良くたって途中で倒れてしまう。




もしそうなったら女子の皆さんからも反感を買うことになる。




それだけは阻止したい。





「日向、それなら私が漕ぐよ!」



「いいよ遠慮しないで」



「いや、ほんといいから!」




それでも日向は聞く耳を持たずに、無理やり私を後ろに乗せた。