「…うっ…ひっく…」
涙は止まることなんて知らないように、シーツを濡らしていった。
「日向…好きだよぉ…」
届くことのない想いを、押し殺すようにして叫ぶ。
もう、忘れなきゃいけない。
日向の前では、こんな姿絶対に見せられない。
だから、今だけは…。
「…さっきからうるさいな」
ギシッと隣のベッドが音を立てる。
…え?誰かいるの?
バッと声のする方に目を移すと、そこにはカーテンから顔を覗かす見たことのない男の子がいた。
うそ…いつから聞かれてたの…!?
かよちゃんも他に生徒がいるなら教えてくれればよかったのに…!
少しの間硬直していると、彼が先に口を開いた。
「きみいつもここで泣いてる人?」
「…えっ」
いつも…って?
予想外の言葉に驚く。
「やっぱり、よくここで泣いてる人でしょ?」