隙間から、少し見えた日向の真剣な表情。 今まで一度も見たことない、男らしい顔だった。 それを聞いて、びっくりした様子の葵先輩は両手で口を抑え、涙を流した。 そして、日向の胸へ抱きついた。 今までで一番嬉しそうな日向の顔。 ああ、成功したんだ。 葵先輩は日向の気持ちを受け取ったんだ。 私、何してるんだろう。 こんなところで、人の告白を勝手に覗いて。 なんだか、急に馬鹿らしく感じて屋上を後にした。