すると、ドア越しに日向と葵先輩の姿が見えた。 違う…違う違う違う! 最後まで自分にそう言い聞かせる。 ドアの前でしゃがみ、少し開いていた隙間に耳を傾けた。 風の音で何を言ってるのかよく聞こえない。 けれど、次の言葉だけははっきりと聞こえたんだ。 「葵さん、ずっと前から好きでした」