「早かったな、聖夜。」


二本目のタバコに火をつけ、聖夜を見据えた。


「けっ、健二さん?!!」

聖夜が驚いた顔をして目を見開いた。


「お前まだろくでもねぇ事してたのか?」

俺が静かに口を開くと聖夜が項垂れた。


「けっ、健二さんの店だったんすか?」


「ここ等の街の店は全部家のお袋が仕切ってる。裏にはもっと大物がいるぞ?知ってて荒らしてたのか?」

悔しそうな顔を顕にした聖夜。


「お前はフリーのキャッチの振りをして、女を入れてたな?直ぐに手を引け。安田のおやっさんにどやされたくなかったらな。」


聖夜は静かに事務所を後にした。