俺は構わず2人に詰め寄り、話を続けた。


「聖夜の指示か?」


2人の中の一人だけがビクッと肩を動かした。


「シホは何も知らないんだな?アイは聖夜の指示で動いた。そうだな?」


シホは不安そうにアイの顔を見た。


「…だったら?」


アイは悪びれた感じもなく口を開いた。


「二度とこの裏通りに現れるな。聖夜にも言っとけ。ここでの仕事はねぇ。」


俺は静かに言い放った。


「シホ、帰るよ!」


悔しそうに上着を羽織り、鞄を手にして出て行った2人。



さて…聖夜はいつ来るかな。



事務所に入り、ソファーに腰を掛けてタバコを取り出した。


一服を終え、灰皿にタバコを押し付けた瞬間に事務所の裏口のドアが荒っぽく開いた。