俺は紗理奈に仕事で遅くなるから今夜はタクシーで帰るよう伝えて『綾』のスタッフに成りすました。
キャスト達が次々と出勤してきた。
「あっ!健ちゃん、あの2人ょ。シホちゃんとアイちゃん!」
綾ママが目を向けた方を見ると、20代後半位の落ち着いた感じの女性が他のキャスト達と少し離れて座っていた。
「じゃぁ、俺、2人に流れの説明してきます。」
綾ママの元を離れ、体入の2人が座っている席の向かいに座った。
「おはようございます。ボーイの健です。今日は体入という事で、流れの説明を簡単にさせてもらいます。」
2人は黙って俺の話を聞いていて、怪しい所はなかった。
しかし問題は店が開き、客がチラホラ入って来てから起こった。