「紗理奈ちゃんの意思があるなら、協力するよ。」


今まで俯いていた紗理奈が俺と目を合わせた。


「抜け出したいです!」


紗理奈が涙を流した。


「警察に被害届けを出すか?」


静かに首を振る紗理奈。


「それは…避けたいです…彼には、やり直して欲しいので…」


俺は頷き、千里ママに視線を向けた。


「千里ママ。紗理奈ちゃんは俺が預かって良いかな?」


「えぇ。健ちゃんに任せるわ。」


「わかりました。紗理奈ちゃんも、それで良い?」


「はい…」


それから、直ぐ俺は動いた。