社長室は意外とシンプルで、窓を背に社長デスクがあり、デスクの前に応接セットで高そうな革のソファーが二つと大理石のデカイ机が並べてある。



「さっそくですが、今日の予定は商店街の定例会が午前11時から。食事会も兼ねてあります。午後はフリーですが、来週リニューアルオープンを予定してます『サマンサ』というキャバクラの訪問を予定してます。」


言い終わると、秘書の川中さんは額の汗をピンクのハンカチで拭った。


「健二くん、商店街の定例会ですが…大丈夫ですか?」


「ええ。商店街の会長さんとは、仲良くさせて戴いてますので。」


営業スマイルをすると川中さんは、安堵の顔をし10時半過ぎに商店街に向かうと告げ社長室から出て行った。