「どうして私の名前……」

「あぁ俺が教えたんや。ごめんなアイツ騒がしくて。次行こか」

結局さっきの彼は誰だったのか分からないままだけど、この時は奏多さんの友人の一人だろうと思って気にはしてなかった。

一通り見て回り、フラワーパークの外に出た。

「夜なったらライトアップされてまた違った雰囲気になるんやて。後でまた見に来ような」

「そうなんですね。それは楽しみです。あっでも、帰りが遅くなったら父が変に思うかも」

「そこは大丈夫。さっき家元に夜にもう一度フラワーパーク行くから帰りが遅くなりますって言ってきたから」

出かける前に話してたのはこの事だったのか。

それからイタリアンカフェで昼食のパスタを食べながら、この後どうしようかという話をする。

「どこか行きたいところある?何なら俺の家でデートの続きしてもいいけど」

出た、奏多さんの意地悪そうな笑顔……。家デートで何をするのかを妄想して私は顔が熱くなった。多分この感覚は頬が赤くなっているはず。

「はは、嘘やて。でもそんな可愛い反応されたら本当にこのまま家に連れて帰りたいわ」

向かい合ったテーブル越しに奏多さんは私の長い髪にサラッと触れた。

「も、もう奏多さんってば」

奏多さんの意味深な笑みを見て、私の心拍数はどんどん上がっていく。奏多さんのこの表情にいつも魅了されてしまう。