「ちょ、ちょっと待って、アリス! 私、アリスを責めてるんじゃないよ? そんなにしょんぼりされると、かえって困るっ」



「でも、自覚あるから」



「そんなの当たり前だよ。まだ入学して3か月だよ。みんな多かれ少なかれ自分を作ってる時期だよ。


でも、私はホントのアリスを、もっと知りたいなって思ってたから」



あゆみちゃん……。



じわっと涙が浮かんだところで、別の方向から声がする。




「それ、わかります。私もわりと最初から、面白いひとだなと思って見てました」



……へ?



あゆみちゃんと、目を丸くする。



だって、低く響いた声の主は、あゆみちゃんじゃない。



それなら、……だれ?