「先ほどのような醜態をご令息たちに見せるわけにはいかないわ。わたくしは、庭園には戻らずに、控え室で閉会まで時間をつぶすことにします。ドレスに合わせて髪だけ結い直してちょうだい。主宰にお礼状を書くから、便箋とペンを用意して」
「かしこまりました」

 侍女は、造花のヘッドピースをマリアの髪にさし込んで整えると、手紙の準備をするために部屋を出て行った。
 一人残されたマリアは、支度室を出て応接間に入る。招待状をもらった令嬢は皆、庭園に出ていて誰もいない。

(今頃、アルフレッド様はプリシラ嬢と楽しく過ごしてらっしゃるのかしら)

 考えながらカウチソファに腰を下ろすと、むぎゅっとしたものに触れた。

「きゃあっ!?」