レイノルドは衝撃を受けた。では、今の自分はいったい何をしているのだ。

「結婚すれば、恋は叶ったと言えるのか?」
「たとえ結婚しても、離婚してしまったら、叶わなかったってことにならない?」
「意味が分からない。何が言いたいんだ、お前は」
「恋を叶えるなんて不毛だってこと。それなら、オレは恋なんかしてなくいい。感情がなくたって女の子は可愛いし、デートもキスもできるわけだし。それで十分じゃない。ちがう?」
「お前基準で恋を語るな。混乱する……」

 レイノルドは頭痛のしはじめた頭を押さえた。

 マリアは、常々から恋がしたいと言う。
 待ち合わせデートやペアのアクセサリーを身につけることが、彼女のなかにある恋人との正しいあり方であるなら、レイノルドは従うだけだ。

 それで彼女が笑ってくれるなら、何だってしてあげたい。
 だからこそ気になる。