冬哉が現れたことにより、友永さん達は退散したけど、念のためにということで、あたしは冬哉と一緒にはるかを家まで送って帰った。

そしてはるかとバイバイした後……なぜだか気まずい気持ちになってしまって、冬哉と普通に話すことが出来なかった。

家に帰ってからも無言になりがちで、「何かあったの？」と、冬哉ママにも聞かれてしまう始末。


あの時から、冬哉がはるかを助けに来たんだって思った時から、ずっとおかしい。

どうしてこんな気持ちになるのか分からないけど、急にひとりぼっちになってしまったような、そんな感覚。


冬哉は何も悪いことをしていないのに、むしろ助けに来てくれたのに、こんな態度……おかしいよね。

そういえば、追試の件もちゃんとお礼が言えていなくて。


その日の夜、私は冬哉の部屋の前に立っていた。


今まで冬哉の部屋に入るのに緊張したことなんてないのに、妙にそわそわする。

「ふぅ」と一度呼吸を整えてから、ノックと共にガチャリとドアを開けた。