「君に会えるのかどうかは、正直『賭け』だったんだ。」

「・・・じゃあ私は、まんまと貴方に釣られたのね。」

「言っておくけど、私は君を無理やり消すつもりはないよ。仮にもしそうだったら、こう
 やってのんびり話してないよ。」

私は飲み干したペットボトルをゴミ箱の中に投げ入れた。その途端、鉄のゴミ箱が『ガタン』という音を立てて唸る。
一方その頃牡丹は、気ままに深夜の公園をフワフワと空中遊泳していた。牡丹は『幽霊』という都合上、あまり昼間に外出できないから、この時間帯を思い切り満喫している。
幽霊は陽に当たっても消滅しない、それは『妖怪』とか『悪魔』とかの話だ。牡丹が恐れているのは、『霊感がある事を偽る人』や、『無理やり霊を成仏させようとする人』