バスケットに出会ったのは中学の時。

あたしはすぐにバスケにのめり込んだ。

弱小だったものの、同級生のチームメイトは5人で先輩が引退すると自動的に全員がレギュラーとなった。

一人も欠けることが許されないという状況があたし達の絆を強くしたように思う。

全員で切磋琢磨し、練習に取り組み、中学最後の引退試合では格上の中学を破り市の大会では3位入賞を果たし県大会にまで進むこととなった。

県大会ではシードの強豪に一回戦で負けてしまったけど悔いはなかった。

全員で同じ目標に向かって汗と涙を流したあの日々は決して無駄ではなかったのだから。

新しい環境でまたバスケがしたいと、あたしは高校でもバスケ部に入部した。

でも、同級生のチームメイトは6人だった。

どうしても1人レギュラーから洩れる人間がでる。

その人間はずっとあたしだった。

どんなに努力してもなぜかレギュラーにはなれない。

それでも、誰もいない体育館で一人朝練や部活のあと自主練をして必死に汗を流した。

いつかこの努力が報われるように。いつかまた試合に出られるように。