「先生。今日の試合でダメだったところがあったら教えてください」

休日ということもあり職員室の中にいたのは折原先生だけだった。

30代の既婚。一昨年結婚し、去年男の子が生まれたらしい。

「深山のプレイはアグレッシブですごくいい。ただ、ディフェンスで相手に押されている様子が度々見られた。もう少し体幹を鍛えて足腰を強くできれば敵なしだ」

「本当ですか!?」

「あぁ。それとな、シュートの時の腕の角度が少し悪い」

「角度ですか?」

「シュートを打つ真似をしてみてくれ」

シュートを打つポーズを取ると、先生はあたしの背後に周りあたしの手の甲にそっと触れた。

耳元で「そうじゃない」と囁かれて生暖かい息がかかる。

ぞわっと腕に鳥肌が立った。

いくら何でも距離感が近すぎる。

後ろからあたしを抱きしめるように先生がグイグイと体を押しつけてくる。

「もう少し手は上。あと、腰の位置はもう少し下げて。膝を使うんだ」

「……っ」

「ほらっ、ここ。この部分を柔らかく……」

先生の手があたしの腰から膝に移動し、膝を何度もさする。