放課後になり、一分でも一秒でも多く練習をしたいあたしはクラスの友達に手を振り誰よりも早く教室を飛び出した。

体育館に着くと、バスケ部が使う体育館の半面にモップ掛けをして倉庫からボールの入ったカゴを引っ張り出して準備を始める。

全ての準備が終わったタイミングで着替えを終えた後輩たちがぞろぞろと体育館に入ってきた。

「あ……咲綾先輩、こんにちは!!」

ひとりと目が合うと、全員が一斉にあたしに頭を下げて挨拶をする。

「こんにちは。もう準備できてるから先にアップ始めちゃって」

「……先輩、いつもやってもらってすみません……。でも、明日からはあたし達がやるんで先輩は……」

「いいのいいの!!気にしないで!!今日も頑張ろうね」

「はい……」

後輩に笑顔で手を振り、体育館の裏手にある部室に向かう。

「鍵、開けて?」

トントンッと部室の扉を叩くと、ガチャっという音がして鍵が開いた。

扉を開けると、着替えを終えたノエルたちがこちらに視線を向けた。