「その、彼氏候補の人たちって、どこの誰かわかってるの?」


「ある程度のことならタッチパネルのプロフィールでわかるよ。年齢、身長、趣味くらいだけど」


「名前は?」


「それはタッチパネルには書かれてないの。1度目のデートのときに初めて自己紹介をするんだよ」


相手の名前も知らないままデートするなんて、やっぱり怖いな。


そんな風に考えてしまうあたしは、考えが古いのかな?


「ドライブスルー彼氏を使っている男の子たちはみんな彼女がほしくて利用しているから、2度3度行っても同じ男の子がいるとは限らないの。その間に彼女ができれば、もう利用しないだろうし」


なるほど。


まさに一期一会の場所と言えるようだ。


「琴葉はそのドライブスルー彼氏を昨日使ったってこと?」


聞くと琴葉は大きくうなづいた。


そのままデートという運びになり、見事相手とメッセージ交換にこぎつけたようだ。


琴葉の行動力にあたしは大きく息を吐き出した。


まさかそこまで行動的だとは思っていなかった。