「あ、どうも~。
 狭間(はざま)汐音と申します。

 派遣会社から派遣されてやってまいりました~」

 そんな、ゆるっとしたことを言いながら、汐音がやってくる。

 求の前まで来た汐音は、おむすび入りの弁当箱の入った鞄を手に、
「……これでまた、毎日会えますね」
と照れたように言ったが。

 汐音が取引先の会社の方を調べにやってきたことを知らない求と武志は、警察の密偵、汐音の登場に真っ青になって叫んだ。

「うちの会社になにがあるんだ、汐音ーっ!?」
「なにがあるんですかっ、汐音さ~んっ!」


                          完